故人の霊を慰めるために霊前にお供えする品物が「供物」です。親族や親交の深かった友人・知人が贈るものです。古来は神仏に供える飲食物や品物のことでした。
神前に供えることで神と交信できると信じられており、神前へのお供えは「神供(じんぐ)」などといい、稲や米、お酒などが中心でした。仏教も日本で信仰が広がるなかで、死者の霊を慰めるための供物が必要となり、いまの形になったと言われています。
ちなみに、キリスト教に供物の概念はありません。
■供物の贈り方
供物を贈るなら葬儀社に依頼するのが安心です。
供物は宗教、宗派、地域によって違いがあるために、間違いをしないためには葬儀社に依頼するのが無難です。
自分で選んで持参する場合は、奉書紙をかけて黒白の水引きを結び、進物盆にのせて贈るのが正式ですが、現在は百貨店などで購入し印刷された弔事用のかけ紙をつけてもらうのが一般的です。かけ紙の表書きは「御供物」「御供」「御霊前」などで氏名を書きます。
地味な風呂敷に包んでお悔やみの言葉とともに受付の係の方などに手渡しましょう。
【これだけは注意!】
供物には必ず置き場所や並べる順番があります!
必ず遺族に供物を贈りたい旨を伝え、先方の意向を確認してから手配するようにしましょう!
■喪主からの辞退の言葉の意味
■葬儀で供物を断られたとき
供物など、干菓子などの場合は重なる場合が多く、あとで遺族が困る場合もあります。
最近では喪家側が供花、供物を辞退する場合も多く、その場合は香典に準じる金額を「御供花料」「御供物料」の表書きで包む方法もあります。
■法要での供物料は香典の半額が目安
仏式の法要では供物を持参するのが習わしですが、あとで供物を遺族が持ち帰らないといけないことを考えると、お金のほうが良い場合もあります。
供物料の金額は香典の半額ぐらいが目安ですが、会食などの準備がある場合は、それに見合うだけの金額を包む方がいいでしょう。
なお、法要を欠席して供物料を送る場合は不祝儀袋に現金を入れ、お詫びの手紙も添えて早く届くように現金書留で送ります。